ブラッティ・エンジェル
天使が禁忌を犯した場合、見習いも連帯責任で消されてしまうことを、わたくしはエンテンが消されたあとに知った。
エンテンが消されたことより、ユキゲが消されてしまうかもしれないことのほうが、わたくしを突き動かした。
彼が消されるのは耐えられない。彼のために何かをしたい!
でも、わたくしにそんなことする資格なんてあるのだろうか?
それは、エンテンが禁忌を犯した翌日のことだ。
エンテンが捕まったと聞いて、慌てて駆けつけた。まだ、サヨが寝てる時。
取り押さえられてる二人を見た瞬間、血の気が引いていったような錯覚を覚えた。
「エンテン!ユキゲ!」
わたくしの体は、考える前に動いていた。
二人を取り押さえている死神に掴みかかっていた。自分でも信じられないぐらい、感情的になっていた。
「このヤロォ!放しやがれ!」
ユキゲは暴れて抵抗している。もちろん、あの小さな体でどうにか出来るわけがない。
一方エンテンは抵抗せず、されるがままになっていた。
諦めじゃなくて、安堵したような、喜びのような顔をしていた。
わたくしは思わず動きを止めていた。
「エンテン…」
わたくしがそう呼びかけると、私のほうへ顔をあげ、彼は笑った。
穏やかに、幸せそうに、満足したように、笑っていた。
わたくしは、その顔がどんなものよりも美しく見えた。
「ウスイ。ありがとう」
その一言に隠されている、全てをわたくしは理解していたのだろうか?
しかし、これだけは確かだった。
エンテンは決して後悔なんかしていない。
そして、わたくしが禁忌を犯す手助けをしたこと。
わたくしは、何も出来なくなってしまった。
「テメェが、アイツに何かしたのか!」
わたくしを見るユキゲの目は、仇を見る目だった。
憎くて憎くて、怒りに燃えている目。
その目を見た瞬間、足下が崩れ落ちたような錯覚に陥った。
目の前が、真っ暗になった。息をするのだって、忘れてしまいそう。
わたくしは、その場に突っ立っていることしか出来なかった。
エンテンが消されたことより、ユキゲが消されてしまうかもしれないことのほうが、わたくしを突き動かした。
彼が消されるのは耐えられない。彼のために何かをしたい!
でも、わたくしにそんなことする資格なんてあるのだろうか?
それは、エンテンが禁忌を犯した翌日のことだ。
エンテンが捕まったと聞いて、慌てて駆けつけた。まだ、サヨが寝てる時。
取り押さえられてる二人を見た瞬間、血の気が引いていったような錯覚を覚えた。
「エンテン!ユキゲ!」
わたくしの体は、考える前に動いていた。
二人を取り押さえている死神に掴みかかっていた。自分でも信じられないぐらい、感情的になっていた。
「このヤロォ!放しやがれ!」
ユキゲは暴れて抵抗している。もちろん、あの小さな体でどうにか出来るわけがない。
一方エンテンは抵抗せず、されるがままになっていた。
諦めじゃなくて、安堵したような、喜びのような顔をしていた。
わたくしは思わず動きを止めていた。
「エンテン…」
わたくしがそう呼びかけると、私のほうへ顔をあげ、彼は笑った。
穏やかに、幸せそうに、満足したように、笑っていた。
わたくしは、その顔がどんなものよりも美しく見えた。
「ウスイ。ありがとう」
その一言に隠されている、全てをわたくしは理解していたのだろうか?
しかし、これだけは確かだった。
エンテンは決して後悔なんかしていない。
そして、わたくしが禁忌を犯す手助けをしたこと。
わたくしは、何も出来なくなってしまった。
「テメェが、アイツに何かしたのか!」
わたくしを見るユキゲの目は、仇を見る目だった。
憎くて憎くて、怒りに燃えている目。
その目を見た瞬間、足下が崩れ落ちたような錯覚に陥った。
目の前が、真っ暗になった。息をするのだって、忘れてしまいそう。
わたくしは、その場に突っ立っていることしか出来なかった。