ブラッティ・エンジェル
サヨは、了介に頼んでゆずを呼び出した。ゆずは案外あっさりと、了解した。
その様子を見ていたサヨの考えは確信に近づいていく。
しばらくすると、清楚なサヨのそれとは正反対の服装のゆずが店に現れた。
了介と一緒にいるサヨを見つけたとたん、ゆずは逃げだそうとした。
しかし、それよりも店を出て間もない歩道でサヨに捕まった。
「待って、ゆずちゃん」
「いや!放せよ!」
サヨが掴んでいる腕を振り回すゆず。
後から追ってきた了介を見たとたん、裏切り者と叫んだ。
「なんでサヨといるの!よりによって、サヨと!」
「違うんだ!ゆず。話を聞いてくれ」
「いやよ!話すことなんてない!」
更に暴れるゆずを、サヨは逃がしてしまった。
いつの間に、こんなに足が速くなったんだろう。と、サヨはゆずを追いながらふと思った。昔のゆずは、運動音痴で、嫌いだったはずなのに。
「話を聞いて!ゆずちゃん」
サヨがそう叫んだとたん、ゆずは走るのを止めた。
今ならもう一度ゆずを逃げないように掴むことが出来るのに、なぜかそれが出来ない。
「これ以上、何をあたしに聞けって言うの?」
皮肉を含んだゆずの声に、サヨは胸が痛んだ。
「あんたは、どれだけあたしを苦しめれば気が済むの?希君の次は了介?」
「違うの。ゆずちゃん」
「あんたはあたしから、たくさんのものを奪い取ったくせに、否定できるの?」
振り向いたゆずちゃんの顔には怒りが。目には、涙が浮かんでいた。
「あたしから奪ったの、希君だけだと思ってた?いいえ!
あんたはあたしの人生を狂わせたのよ!」
「わかってる」
冷静を保っているふり。
でも本当は平気じゃない。大好きな友達に嫌われているなんて…。今にでも泣き出したい。
「私が嫌いでもいい。でも、話だけは聞いて。あなたと、了介君のこと」
「ふざけないで…!」
「聞いて」
さすがに、自分でも冷たい声だと思った。
でも、おかげでゆずは黙った。
その様子を見ていたサヨの考えは確信に近づいていく。
しばらくすると、清楚なサヨのそれとは正反対の服装のゆずが店に現れた。
了介と一緒にいるサヨを見つけたとたん、ゆずは逃げだそうとした。
しかし、それよりも店を出て間もない歩道でサヨに捕まった。
「待って、ゆずちゃん」
「いや!放せよ!」
サヨが掴んでいる腕を振り回すゆず。
後から追ってきた了介を見たとたん、裏切り者と叫んだ。
「なんでサヨといるの!よりによって、サヨと!」
「違うんだ!ゆず。話を聞いてくれ」
「いやよ!話すことなんてない!」
更に暴れるゆずを、サヨは逃がしてしまった。
いつの間に、こんなに足が速くなったんだろう。と、サヨはゆずを追いながらふと思った。昔のゆずは、運動音痴で、嫌いだったはずなのに。
「話を聞いて!ゆずちゃん」
サヨがそう叫んだとたん、ゆずは走るのを止めた。
今ならもう一度ゆずを逃げないように掴むことが出来るのに、なぜかそれが出来ない。
「これ以上、何をあたしに聞けって言うの?」
皮肉を含んだゆずの声に、サヨは胸が痛んだ。
「あんたは、どれだけあたしを苦しめれば気が済むの?希君の次は了介?」
「違うの。ゆずちゃん」
「あんたはあたしから、たくさんのものを奪い取ったくせに、否定できるの?」
振り向いたゆずちゃんの顔には怒りが。目には、涙が浮かんでいた。
「あたしから奪ったの、希君だけだと思ってた?いいえ!
あんたはあたしの人生を狂わせたのよ!」
「わかってる」
冷静を保っているふり。
でも本当は平気じゃない。大好きな友達に嫌われているなんて…。今にでも泣き出したい。
「私が嫌いでもいい。でも、話だけは聞いて。あなたと、了介君のこと」
「ふざけないで…!」
「聞いて」
さすがに、自分でも冷たい声だと思った。
でも、おかげでゆずは黙った。