ブラッティ・エンジェル
暗い暗い夜。闇に隠れるようにウスイはいた。闇に溶けてしまえばと、願ったに違いない。
「ウスイ!」
「来ないで!」
ようやく見つけたのに、完全なる拒絶。
いつものユキゲなら、せっかく探してやったのにとムッとなるところだが、さすがに今の状況ではそんな余裕はない。
「来ないでくださいませ。わたくしはやはりあなたに関わるべきではありませんでしたわ」
一歩一歩とウスイは、闇の中に消えて行こうとした。
ユキゲは思わず、その腕をとる。そうしないと、本当に闇に溶けて消えてしまいそうだったから。
「何をしますの!放しなさい!」
「じゃあ、オレから逃げんじゃねぇよ!」
なんで、オレは怒鳴ることしか出来ないのだろう?なんで、ウスイに対してこんなにもとげとげしくなってしまうんだろう。
ついつい、そんなことが頭によぎってしまう。
「お前がなにしたか全部話せよ」
ふっと、暴れていたウスイの動きが止まる。
「話したら、わたくしを消してくれますの?」
「な!?」
思わずユキゲは絶句した。
ウスイの言葉、そしてこのなにもかもに疲れて絶望しきったような笑顔に。この笑顔には見覚えがあった。
あの時のサヨと同じ顔をしていた。全てを諦めたときのサヨの笑顔に。
「お話しいたしますわ。きっとあなたなら、わかってくださいますわ」
なにをわかってくれるって?
ユキゲは自然にウスイを掴む手に力をいれていた。絶対逃がさないように、放してしまわないように。
「ウスイ!」
「来ないで!」
ようやく見つけたのに、完全なる拒絶。
いつものユキゲなら、せっかく探してやったのにとムッとなるところだが、さすがに今の状況ではそんな余裕はない。
「来ないでくださいませ。わたくしはやはりあなたに関わるべきではありませんでしたわ」
一歩一歩とウスイは、闇の中に消えて行こうとした。
ユキゲは思わず、その腕をとる。そうしないと、本当に闇に溶けて消えてしまいそうだったから。
「何をしますの!放しなさい!」
「じゃあ、オレから逃げんじゃねぇよ!」
なんで、オレは怒鳴ることしか出来ないのだろう?なんで、ウスイに対してこんなにもとげとげしくなってしまうんだろう。
ついつい、そんなことが頭によぎってしまう。
「お前がなにしたか全部話せよ」
ふっと、暴れていたウスイの動きが止まる。
「話したら、わたくしを消してくれますの?」
「な!?」
思わずユキゲは絶句した。
ウスイの言葉、そしてこのなにもかもに疲れて絶望しきったような笑顔に。この笑顔には見覚えがあった。
あの時のサヨと同じ顔をしていた。全てを諦めたときのサヨの笑顔に。
「お話しいたしますわ。きっとあなたなら、わかってくださいますわ」
なにをわかってくれるって?
ユキゲは自然にウスイを掴む手に力をいれていた。絶対逃がさないように、放してしまわないように。