ブラッティ・エンジェル
「わたくしですわ、エンテンを罪人にしたのは」
ウスイの告白にユキゲは絶句した。
「あなたは知っていまして?エンテンは人間に恋をしていましたのよ。
その彼女にね。殺して欲しいって、頼まれたそうですわ。
わたくしはそれを相談されましたわ。当時のわたしくしは冷たくて他人のことを考えられない天使でしたわ。だから、無神経なことを言いましたの。思った通りにしなさいと。
そして彼は、彼女を殺しましたわ。
わたくしがエンテンを罪人にしましたの」
しんとした闇に響くウスイの声は、直接頭に響いて聞こえているように錯覚させた。
「憎いでしょう?あなたの人生めちゃくちゃにしたわたくしが。
どこまでヒナガに聞いたか知りませんけど、わたくしは見習いだったサヨのパートナーのウスイですわ」
2人の間に少し、沈黙が流れた。
「最初から、知ってた」
「え?」
今度はウスイが驚く番だった。
闇の中でもはっきりとウスイが驚いているのが見える。
「最初、セイメイと現れた時から気づいてた。オーラがウスイそのものだったからな」
「今まで、黙っていましたの?」
「お前が特に何も言わなかったからな」
信じられないという風な目で見つめてくるウスイ。
「なぁ、なんでオレの代わりをしたんだ?それがわかんねぇんだ」
ウスイは眉を寄せうつむいた。どう話せばいいのか、言葉を探していた。
静かな夜が、こんなに辛いなんてはじめて知った。
「うまく、言えませんわ。
あなたは関係ありませんでしたわ。あなたが消える理由はありません。
わたくしが罰を受けるのがあたり前ですわ」
ウソだわ。そんなこと考えていなかった。わたくしはただあなたが存在していれば良かっただけなのに。
この気持ちは、うまく説明のつかない複雑なものだった。
今にも逃げ出したかった。こんな弱い自分を見られるなんて。
ウスイは、グッと掴まれている腕に力をいれた。
絶対放してくれないユキゲの手が、今はなぜだか嬉しかった。
ウスイの告白にユキゲは絶句した。
「あなたは知っていまして?エンテンは人間に恋をしていましたのよ。
その彼女にね。殺して欲しいって、頼まれたそうですわ。
わたくしはそれを相談されましたわ。当時のわたしくしは冷たくて他人のことを考えられない天使でしたわ。だから、無神経なことを言いましたの。思った通りにしなさいと。
そして彼は、彼女を殺しましたわ。
わたくしがエンテンを罪人にしましたの」
しんとした闇に響くウスイの声は、直接頭に響いて聞こえているように錯覚させた。
「憎いでしょう?あなたの人生めちゃくちゃにしたわたくしが。
どこまでヒナガに聞いたか知りませんけど、わたくしは見習いだったサヨのパートナーのウスイですわ」
2人の間に少し、沈黙が流れた。
「最初から、知ってた」
「え?」
今度はウスイが驚く番だった。
闇の中でもはっきりとウスイが驚いているのが見える。
「最初、セイメイと現れた時から気づいてた。オーラがウスイそのものだったからな」
「今まで、黙っていましたの?」
「お前が特に何も言わなかったからな」
信じられないという風な目で見つめてくるウスイ。
「なぁ、なんでオレの代わりをしたんだ?それがわかんねぇんだ」
ウスイは眉を寄せうつむいた。どう話せばいいのか、言葉を探していた。
静かな夜が、こんなに辛いなんてはじめて知った。
「うまく、言えませんわ。
あなたは関係ありませんでしたわ。あなたが消える理由はありません。
わたくしが罰を受けるのがあたり前ですわ」
ウソだわ。そんなこと考えていなかった。わたくしはただあなたが存在していれば良かっただけなのに。
この気持ちは、うまく説明のつかない複雑なものだった。
今にも逃げ出したかった。こんな弱い自分を見られるなんて。
ウスイは、グッと掴まれている腕に力をいれた。
絶対放してくれないユキゲの手が、今はなぜだか嬉しかった。