ブラッティ・エンジェル
 望の服を着たサヨは、明かりの灯っているリビングに向かった。
 テレビで、 クリスマス特集をしていた。
 望はサヨが入ってくるとテレビから視線を外した。
 少し大きめな望の服を着ているサヨは、本当に普通の女の子に見えた。
「服ありがと」
「うん」
不思議と、会話が続かない。
 どうしてだろう?
 サヨはちょこんとテーブルの傍に座った。
「…ごめんね。何か、せっかくのクリスマス台無しにしちゃったね」
「気にすんなって」
また沈黙。
 と、テレビを見ていた望がひらめいたように手をポンッと叩いた。
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