ブラッティ・エンジェル
「取った!」
「やめて~」
勝者は望だった。この勝負が決まるまで、ベッドはグチャグチャになっていた。取ったものも、グチャグチャだった。
 もう目は暗闇に慣れていた。
 手に握っていたものはプレゼント用の袋だった。
「これ、クリスマスプレゼント?俺に?」
恥ずかしそうに、サヨは小さく首を縦に振った。
 中身を取り出してみると、それはネックレスだった。十字架のサヨのつけていた、希に似ていた。
「渡し損ねて。望、買い物にいちゃったし。それで、確かサンタは子供の枕元にクリスマスプレゼントを置いてくって、聞いたことあって、サプライズ、みたいな」
あたふたと、焦っているサヨはとても可愛かった。
 可愛くて愛おしくて大好きで、望は思わずサヨの唇に自分の唇を重ねた。
 甘くて何かくすぐったくて、幸せなキスだった。
「ごめん、サヨ。もう限界」
もう一度、唇と重ねるとそのままベッドの上に2人で倒れ込んだ。

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