ブラッティ・エンジェル
サヨに質問をするタイミングを完全に失ったユキゲは、不満そうに腕を組んでいた。
「うん。今日、バイトが急に休みになってぶらぶらしてたとこ」
なにもない普通の会話に、サヨはどきっとした。あのあと、星司はどうしたのだろう?
サヨの頭に暗雲がたちこめた。考えるなと、必死に言い聞かせてみても、隅では誰かがずっと語りかけてくる。「あなたは天使なのよ」と。
それを振り払うように、明るく、うんと明るく声を出した。
「じゃあ、ちょっと付き合ってよ。行きたいところがあるんだ」
サヨは、望の腕に自分の腕を絡める。肩に、ぺちゃんこのバッグの生地が当たる。
「ほら、ユキゲも行くよ。美味しいプリンがあるお店に行くんだから」
暗い顔をしていたユキゲを振り返るサヨからは、先ほどの嫌な予感が感じ取れなかった。いつも通りのサヨがそこにはいた。
気にしすぎか?だとしても、調べるほかない。
「オレ、パス。お熱いお二人さんの邪魔しちゃいけねぇからな」
わざとらしく、嫌味ったらしく言ってみる。サヨをからかうのは楽しいからな。
「え?来なよ。最近ユキゲと会話してないし」
望の寂しそうな顔。確かに、最近望とはろくに話した事もなかった。お互い、いろいろとあったのが関係しているのだろう。
望とはいずれちゃんといろいろと話し合わないといけないと思ってはいたが、今は違うな。
「うん。今日、バイトが急に休みになってぶらぶらしてたとこ」
なにもない普通の会話に、サヨはどきっとした。あのあと、星司はどうしたのだろう?
サヨの頭に暗雲がたちこめた。考えるなと、必死に言い聞かせてみても、隅では誰かがずっと語りかけてくる。「あなたは天使なのよ」と。
それを振り払うように、明るく、うんと明るく声を出した。
「じゃあ、ちょっと付き合ってよ。行きたいところがあるんだ」
サヨは、望の腕に自分の腕を絡める。肩に、ぺちゃんこのバッグの生地が当たる。
「ほら、ユキゲも行くよ。美味しいプリンがあるお店に行くんだから」
暗い顔をしていたユキゲを振り返るサヨからは、先ほどの嫌な予感が感じ取れなかった。いつも通りのサヨがそこにはいた。
気にしすぎか?だとしても、調べるほかない。
「オレ、パス。お熱いお二人さんの邪魔しちゃいけねぇからな」
わざとらしく、嫌味ったらしく言ってみる。サヨをからかうのは楽しいからな。
「え?来なよ。最近ユキゲと会話してないし」
望の寂しそうな顔。確かに、最近望とはろくに話した事もなかった。お互い、いろいろとあったのが関係しているのだろう。
望とはいずれちゃんといろいろと話し合わないといけないと思ってはいたが、今は違うな。