ブラッティ・エンジェル
 しかしサヨは、全く動こうとしなかった。瞬き、1つしないでただ同じ格好で、立ち尽くしていた。
「セイメイにはあとで言っておきますわね」
ウスイは望に耳打ちをした。
「しっかり、キツイのをお願い」
1つため息をついてそれだけ呟く。ウスイは可笑しそうに上品に笑うと、セイメイのあとを追った。
 加藤に帰るように促す望。
「え?何?三角関係的な?」
「いいから、帰れ」
さすがに空気を読んだ加藤は、渋々という雰囲気で帰って行った。
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