ブラッティ・エンジェル
驚いたように彼はウスイを見つめる。
「よく僕の正体を見破ったね。凄いや」
嬉しそうに彼は、神は笑った。
本当彼が神だとはと、ウスイは驚いた。しかし、こんなことができるのはこの世でただ一人、神しかいない。ウスイは震えた。予想が真実だったということは、これから何が起こるのか、彼がどうしてここにいるのかということが、安易に予想できたから。ユキゲも同じことを予想したのだろう。恐れ多くも神を睨みつけていた。
「わたくしが消えますわ。そうすれば、ヒナガの罪も消えますでしょう。わたくしがヒナガの罪ですから」
消えるのが怖くないわけはない。出来ることなら、消えたくはない。まだ、ユキゲのそばにいたかった。でも、それをする事で、自分がいることで大切な人が消えてしまう。それなら、自分が消える。自分の幸せより、大切な人の幸せの方が大切だから。
「それなら、ボクも消えなくちゃいけないネ」
消える。そんな事今まで、本当に考えたことは無かった。口では何回でも言える。しかし、実際消えるとなると少し嫌だと抵抗してしまう。もう十分に生きた。でも、もう少しだけせめてサヨの人生が終わるまで見守りたかった。そんな気がする。
神は嬉しそうに微笑んだまま。
「やだなぁ。勘違いしないでよ」
緊張感溢れる空気の中に似つかわしくない、神の笑い声に言葉。神以外、ハテナマークを頭に浮かせていた。
「いつ僕が君たちを消すって言ったの」
「じゃぁ、なんで俺たちをここに呼んだんだよ」
緊張したままユキゲが訪ねる。警戒は解いてはいけない。口でそうを言っていてもなにを考えているのかわからないから。警戒心を解いて、なにをするのかわからないから。
サヨは強そうに見えて繊細で弱いやつ。だから、守らなきゃってずっと思ってた。だから、どんな状況でもサヨを守るんだ。
「警戒しないでよ。僕は助けてあげたいんだ」
「助ける?」
望は疑ったように呟く。
「そうだよ。サヨを助けてあげる」
それは願ってもいない申し出。神の助けがあるのなら、サヨは必ず助かる。
驚いてヒナガはなにも言葉に出せなかった。
「でも、条件があるよ」
神はじっと望を見る。その目を。もしかしたら、神にしか見えないなにかをじっと見た。
「よく僕の正体を見破ったね。凄いや」
嬉しそうに彼は、神は笑った。
本当彼が神だとはと、ウスイは驚いた。しかし、こんなことができるのはこの世でただ一人、神しかいない。ウスイは震えた。予想が真実だったということは、これから何が起こるのか、彼がどうしてここにいるのかということが、安易に予想できたから。ユキゲも同じことを予想したのだろう。恐れ多くも神を睨みつけていた。
「わたくしが消えますわ。そうすれば、ヒナガの罪も消えますでしょう。わたくしがヒナガの罪ですから」
消えるのが怖くないわけはない。出来ることなら、消えたくはない。まだ、ユキゲのそばにいたかった。でも、それをする事で、自分がいることで大切な人が消えてしまう。それなら、自分が消える。自分の幸せより、大切な人の幸せの方が大切だから。
「それなら、ボクも消えなくちゃいけないネ」
消える。そんな事今まで、本当に考えたことは無かった。口では何回でも言える。しかし、実際消えるとなると少し嫌だと抵抗してしまう。もう十分に生きた。でも、もう少しだけせめてサヨの人生が終わるまで見守りたかった。そんな気がする。
神は嬉しそうに微笑んだまま。
「やだなぁ。勘違いしないでよ」
緊張感溢れる空気の中に似つかわしくない、神の笑い声に言葉。神以外、ハテナマークを頭に浮かせていた。
「いつ僕が君たちを消すって言ったの」
「じゃぁ、なんで俺たちをここに呼んだんだよ」
緊張したままユキゲが訪ねる。警戒は解いてはいけない。口でそうを言っていてもなにを考えているのかわからないから。警戒心を解いて、なにをするのかわからないから。
サヨは強そうに見えて繊細で弱いやつ。だから、守らなきゃってずっと思ってた。だから、どんな状況でもサヨを守るんだ。
「警戒しないでよ。僕は助けてあげたいんだ」
「助ける?」
望は疑ったように呟く。
「そうだよ。サヨを助けてあげる」
それは願ってもいない申し出。神の助けがあるのなら、サヨは必ず助かる。
驚いてヒナガはなにも言葉に出せなかった。
「でも、条件があるよ」
神はじっと望を見る。その目を。もしかしたら、神にしか見えないなにかをじっと見た。