ブラッティ・エンジェル
 自分の変化に気づいていないのか、ユキゲは不思議そうに首をかしげた。そして自分よりも明らかに小さくなったウスイの羽根をつまんだ。
「ちょっと!何をしますの!?」
もちろん暴れるウスイ。
「お前、なんでこんなちっせぇの?」
まだ状況を飲み込めないユキゲは、じっとウスイを見つめる。
 恋い焦がれている相手に真剣に見つめられたウスイは、こんな状況であっても胸をどきどきさせていた。
 しかし、それは短い出来事でしかなかった。興味がそれたのか、ぽいっとウスイを投げるように放す。
「女の子の扱いが雑だなぁ。モテないよ~」
投げられたウスイをナイスキャッチした神。さすがに、ウスイはぎょっとしてその手から抜け出そうとした。神はそれを許さず、ペットのハムスターでも撫でるように、ウスイの頭をそれはガシガシと乱暴に撫でる。
 あなたもそうですわと言ってやりたい気持ちを抑えて、ウスイはおとなしく撫でられていた。そうゆうところしっかりしているウスイは、神に逆らうなんて恐れ多いと思ってのことだ。なぜ、こんなところばかり真面目なのだろうと、ウスイは自分の性格を呪った。
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