ブラッティ・エンジェル
 最初のうちは、緊張で自然にするので精一杯だったが、時間が経つにつれてなれていき、暇になった。
 思わず、欠伸が出てきた。
 それに気がついたのか、彼は少し微笑んでで顔を上げた。
「暇なら、そこら辺のもの見ててもいいよ」
それだけ言うと、彼はまた絵に没頭しだした。
「サヨ~。オレもう飽きた~」
「じゃ、どっか行ってれば?」
私はそれどころではなかった。
 いろんなところに散らかっている紙を拾い上げ、じっくりそれを見て、うっとりする。
 どれも上手で、独創的で、綺麗な色で、ずっと見ていたらその世界に吸い込まれそうだった。
 「どう?」
突然上から振ってきた声に、しゃがんででいた私は思わず尻餅をついた。
 私はマヌケな格好と顔のまま彼を見上げる。
 彼はクスリと子供のように笑う。
 私は思わずそのかわいらしさに見惚れてしまった。
「僕の顔に何かついてる?」
「いや、可愛いなって」
私は意識と別にそんな言葉が口から出た。
「え?」
「え?」
彼が虚を突かれたような顔をしたから、私も首を傾げた。
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