ブラッティ・エンジェル
そんなある日。
それは夏と秋の境目の時。暗い暗い夜のこと。
その日は思わず暗くなるまでアトリエに居ちゃったみたい。行ったのは昼なんだけど、起きたらもう暗かった。
知らないうちに寝ちゃったみたい。寝顔見られちゃった。やだなぁ。
「送っていくよ」
「え?いや、悪いよ」
まずい。これはまずい。送っていくってどこに。地上に私の家はなくて、あるのは天界。
でも、これって人間のカップルがよくやることじゃない。
私は言葉と反面、少し送ってもらうということに惹かれていた。
「女の子一人じゃ危ないよ」
一人じゃないんだけどぉっと、私は肩の上で不機嫌そうに腕を組んでいる小さな彼を見た。
けど、かまうわけない。
「ありがとう。じゃぁ、そこの駅までお願い」
「はぁ!?冗談じゃねぇぞ!」
隣でわめくユキゲをチラッと見て耳打ちをする。
「嫌なら一人で帰ったらどう?」
「どうなっても知らねぇからな!」
そうだけ言い捨てると彼は飛んでいった。
その背に少しだけ舌を出した。
どうなってもって、どうなるってのさ。
彼が差し出している手を私はぎゅっと握った。
それは夏と秋の境目の時。暗い暗い夜のこと。
その日は思わず暗くなるまでアトリエに居ちゃったみたい。行ったのは昼なんだけど、起きたらもう暗かった。
知らないうちに寝ちゃったみたい。寝顔見られちゃった。やだなぁ。
「送っていくよ」
「え?いや、悪いよ」
まずい。これはまずい。送っていくってどこに。地上に私の家はなくて、あるのは天界。
でも、これって人間のカップルがよくやることじゃない。
私は言葉と反面、少し送ってもらうということに惹かれていた。
「女の子一人じゃ危ないよ」
一人じゃないんだけどぉっと、私は肩の上で不機嫌そうに腕を組んでいる小さな彼を見た。
けど、かまうわけない。
「ありがとう。じゃぁ、そこの駅までお願い」
「はぁ!?冗談じゃねぇぞ!」
隣でわめくユキゲをチラッと見て耳打ちをする。
「嫌なら一人で帰ったらどう?」
「どうなっても知らねぇからな!」
そうだけ言い捨てると彼は飛んでいった。
その背に少しだけ舌を出した。
どうなってもって、どうなるってのさ。
彼が差し出している手を私はぎゅっと握った。