ブラッティ・エンジェル

日々

「希!朝だよ!」
アトリエにある希の部屋の戸の前で叫んだ。すると、ベッドのふくらみがもぞもぞと動いた。
 私が地上で生活を始めてから、もう一ヶ月以上になる。
 希のアトリエで今は暮らしている。驚くことにこのアトリエは広くて、結構空き部屋があった。
 お金がなかったから、アパートを追い出されて行くところがないと言ったら、快く今の部屋を貸してくれた。
 同居してるのに、まだ告白してない。だって、怖いもん。
 一緒に暮らしていると、希の生活習慣がかなり悪いことに気がついた。
 私が一緒に暮らすまでは朝昼晩カップラーメンかもしくは食べない。食べる時間も決まっていなければ、ゴミはめったに捨てない。
 掃除もなかなかしないし、部屋は散らかしっぱなし。
 夜は日が変わるまで起きていて、朝は昼間で起きない。
 私が来なかったら、手遅れになるところだったよ。何が手遅れになるのかはわからないけど。
「ん~。今何時~?」
「そうだね~」
私は右手の腕時計を見ると、ちょうど長針が10時をさした。
「ちょうど10時だよ。いつまで寝てる気なの?」
「ん~」
希はまだ寝たりにみたい。昨日は何時に寝たのかな?てか、ホントに昨日に寝たのかな?
「起きろ~」
私はぼふぼふと布団の上から希をたたく。
 すると、ぼわっと布団からホコリがたくさん舞った。
 あまりの量に私はむせた。涙まで出てきた。
 手で宙のホコリを払いながら、私は後ずさった。
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