ブラッティ・エンジェル
「サヨ。帰るよ~」
そんなとき、何も知らない希が出入り口から顔をひょいっと出した。
ゆずちゃんはびくっと肩を大きくふるわせて驚いた。ぼっと、さっきとは比にならないくらい顔が真っ赤になった。
私も表には出さないが、内心ビックリした。心臓がギューッてなって、どんどんとうるさく鳴った。
「う、うん。じゃぁね、ゆずちゃん」
私はテーブルに置いておいたバッグを取り、希のほうに駆け足で向かった。
ゆずちゃんがこっちを羨ましそうに見ているのを、少し優越感に浸って見ていた。
「そう言えばゆずちゃん、マスターが呼んでたよ。あ、マスター」
「ゆず、ちょっと手伝ってくれ」
希の上に無精ひげを生やしたマスターが現れた。
まだ25らしいんだけど、無精ひげのせいかもっと年をとっているように見える。このカフェのマスターとしての苦労が顔に出ているのかも。
家はお金持ちらしいんだけど、あんまり仲良くないらしい。ゆずちゃんのことは大好きらしい。
「わかったッスよ。セージ」
「違うっつーの。星司(せいじ)だっつーの」
マスターは休憩室に入っていってゆずちゃんの手をつかんで、連れて行った。
扉のところに来たときゆずちゃんは口を開いてなにか言いたそうにしていた。
しかし、それはかなわずマスターに連れて行かれた。
「痛いッス。セージ、痛い!」
「星司だっつーの。うるさいっつーの」
マスターがなかば強引にゆずちゃんを連れて行くのを、私たちは無言で見つめていた。
マスター達の声が聞こえなくなると、希は私の腕をつかんだ。
「さ、帰ろ」
「うん」
少し心臓がどきどきしている。いつもはこんなことないのに。
そんなとき、何も知らない希が出入り口から顔をひょいっと出した。
ゆずちゃんはびくっと肩を大きくふるわせて驚いた。ぼっと、さっきとは比にならないくらい顔が真っ赤になった。
私も表には出さないが、内心ビックリした。心臓がギューッてなって、どんどんとうるさく鳴った。
「う、うん。じゃぁね、ゆずちゃん」
私はテーブルに置いておいたバッグを取り、希のほうに駆け足で向かった。
ゆずちゃんがこっちを羨ましそうに見ているのを、少し優越感に浸って見ていた。
「そう言えばゆずちゃん、マスターが呼んでたよ。あ、マスター」
「ゆず、ちょっと手伝ってくれ」
希の上に無精ひげを生やしたマスターが現れた。
まだ25らしいんだけど、無精ひげのせいかもっと年をとっているように見える。このカフェのマスターとしての苦労が顔に出ているのかも。
家はお金持ちらしいんだけど、あんまり仲良くないらしい。ゆずちゃんのことは大好きらしい。
「わかったッスよ。セージ」
「違うっつーの。星司(せいじ)だっつーの」
マスターは休憩室に入っていってゆずちゃんの手をつかんで、連れて行った。
扉のところに来たときゆずちゃんは口を開いてなにか言いたそうにしていた。
しかし、それはかなわずマスターに連れて行かれた。
「痛いッス。セージ、痛い!」
「星司だっつーの。うるさいっつーの」
マスターがなかば強引にゆずちゃんを連れて行くのを、私たちは無言で見つめていた。
マスター達の声が聞こえなくなると、希は私の腕をつかんだ。
「さ、帰ろ」
「うん」
少し心臓がどきどきしている。いつもはこんなことないのに。