ブラッティ・エンジェル
「嫌いになんてなってないよ」
思い切って出した声は、どこか潰れていて変な声。
顔が一気に赤くなっていく。
「私、すごく反省してるの。望にあんな事言っちゃって。
希と望は違うのに…。わかっていたんだけど、重ねずにはいられ無くって…。
だから、たぶん、あんな事しちゃったんだと思う。
希のタメじゃなくて、自分のために…」
あれ?私、何が言いたいんだ?
自分でも何を言っているのかサヨはわからなかった。それでも、自分の気持ちを吐き出していく。
「ずっと、望と話したかった。望に言いたいこといっぱいあった。
なのに、電話に出ようとするにも、メールを見るにも、留守電を聞くにも体が思い通りに動いてくれなくて…。
望だってわからないでしょ。私がどんなに、後悔してたか。自分を責めたか。
ずっと謝りたかった」
きっと、望にはサヨの言っていることの本当の意味を理解していないだろう。
「でも、謝るには、望に全部聞いてもらわなきゃいけない。私ともう一人のノゾムのことを。
だから、今からHEARTに来て。そこで、全部話す」
「…わかった。すぐに行く。俺に全部聞かせて」
サヨは携帯を閉じると、何の迷いも生まれる前に部屋を出た。
ただ、前を見ていた。
この道がどこに繋がっていようとも。これから、どんな壁が立ちはばかろうとも。
だから、この時サヨは部屋に彼女がいたことに気がつかなかったのだろう。
思い切って出した声は、どこか潰れていて変な声。
顔が一気に赤くなっていく。
「私、すごく反省してるの。望にあんな事言っちゃって。
希と望は違うのに…。わかっていたんだけど、重ねずにはいられ無くって…。
だから、たぶん、あんな事しちゃったんだと思う。
希のタメじゃなくて、自分のために…」
あれ?私、何が言いたいんだ?
自分でも何を言っているのかサヨはわからなかった。それでも、自分の気持ちを吐き出していく。
「ずっと、望と話したかった。望に言いたいこといっぱいあった。
なのに、電話に出ようとするにも、メールを見るにも、留守電を聞くにも体が思い通りに動いてくれなくて…。
望だってわからないでしょ。私がどんなに、後悔してたか。自分を責めたか。
ずっと謝りたかった」
きっと、望にはサヨの言っていることの本当の意味を理解していないだろう。
「でも、謝るには、望に全部聞いてもらわなきゃいけない。私ともう一人のノゾムのことを。
だから、今からHEARTに来て。そこで、全部話す」
「…わかった。すぐに行く。俺に全部聞かせて」
サヨは携帯を閉じると、何の迷いも生まれる前に部屋を出た。
ただ、前を見ていた。
この道がどこに繋がっていようとも。これから、どんな壁が立ちはばかろうとも。
だから、この時サヨは部屋に彼女がいたことに気がつかなかったのだろう。