ブラッティ・エンジェル
サヨの思考は、完全停止した。
体の感覚という感覚が全部消えていくような。体中の温度が冷めていくような。
そう、あのときと似た感覚。
「今度から、俺の部屋に勝手に入っちゃダメよ~」
マスターがお店に戻ってきたときには、サヨは逃げ出していた。
「サヨ!」
「え?」
ユキゲの叫び声で、望はようやくサヨがただならぬ様子で店を出て行くのに気がついた。
望は反射的にサヨを追いかけようとした。が、
「来んじゃねぇよ!テメェに、サヨが救えると思ったオレがバカだった!」
ユキゲが怒りを望にさらけ出し、店から出て行った。
望は、ハッと踏み出そうとした足を止めた。
「お前、友達一人もいなくなるぞ」
「わかってるわよ」
マスターの言葉に、ゆずはうつむいた。唇を血がにじみ出るほど噛み、爪痕が残るくらい拳を握りしめた。
ユキゲにきつく言われたが、望は黙ってはいられなかった。
急いで、サヨの後を追うために走り出した。
何一つとしてわからない椛は、一人で客の対応にあたっていた。
「行ってもあなたは必要ないんじゃないかしら」
外に出てきた望の前に、意外なヤツが立ちはだかった。
体の感覚という感覚が全部消えていくような。体中の温度が冷めていくような。
そう、あのときと似た感覚。
「今度から、俺の部屋に勝手に入っちゃダメよ~」
マスターがお店に戻ってきたときには、サヨは逃げ出していた。
「サヨ!」
「え?」
ユキゲの叫び声で、望はようやくサヨがただならぬ様子で店を出て行くのに気がついた。
望は反射的にサヨを追いかけようとした。が、
「来んじゃねぇよ!テメェに、サヨが救えると思ったオレがバカだった!」
ユキゲが怒りを望にさらけ出し、店から出て行った。
望は、ハッと踏み出そうとした足を止めた。
「お前、友達一人もいなくなるぞ」
「わかってるわよ」
マスターの言葉に、ゆずはうつむいた。唇を血がにじみ出るほど噛み、爪痕が残るくらい拳を握りしめた。
ユキゲにきつく言われたが、望は黙ってはいられなかった。
急いで、サヨの後を追うために走り出した。
何一つとしてわからない椛は、一人で客の対応にあたっていた。
「行ってもあなたは必要ないんじゃないかしら」
外に出てきた望の前に、意外なヤツが立ちはだかった。