ブラッティ・エンジェル
「ねぇ、ヒナガはどうしてそんなに焦っていますの?なにか、いいことがあります?」
「ええ!そうなんです!」
その時の彼女は、いつにもまして顔が輝いていた。
今までも疲れが吹っ飛んでしまったよう。
「私、恋をしたんです!」
「なんですって?」
こんな答え、誰が予想しただろう。
当然、わたくしは予想していませんでしたわ。
「何度も言わせないでください」
ヒナガは頬を赤くして、恥ずかしそうに笑った。
恋って、なんなのかしら?
わたくしは、冷めてるらしい。何を考えてるかわからない、近寄りがたいって、よく小耳にはさむ。
だから、わたくしに話しかけてくるのは、ヒナガぐらい。
話し相手がいないからって、困ったこともないし、必要ともしない。
それに、心、つまり感情がない天使が、へたにふりをするのも面倒ですもの。
ちょっと待って、今の問題はこんなことじゃありませんでしたわ。
「恋したって、天使になのでしょう?それなら、理由になりませんわ」
「……ウスイは口が堅いですか?」
いきなり、声を潜めたヒナガはあたりをキョロキョロと見渡した。
ここはヒナガの自室。あまりにも働き過ぎなので、大天使様に休暇を言い渡されたの。
誰かがヒナガをストーカーしているか、部屋を間違えたかしない限り、わたくしとヒナガの二人だけのはず。
よほどこれから言うことが、トップシークレットなのか、戸を開けて外に誰かいないかも確認していた。
今から言うことの内容はわからないが、恋したの!と言う言葉も、トップシークレットだと思うわ。
気が済んだヒナガは、ベッドに腰掛けると、じっとわたくしのほうを見た。
「あぁ。口は、堅いほうだと思いますわよ。それに、話す相手もいませんし」
「なんですって!」
さっきまで真剣な顔をしていたヒナガは、頬を膨らませた。
「ええ!そうなんです!」
その時の彼女は、いつにもまして顔が輝いていた。
今までも疲れが吹っ飛んでしまったよう。
「私、恋をしたんです!」
「なんですって?」
こんな答え、誰が予想しただろう。
当然、わたくしは予想していませんでしたわ。
「何度も言わせないでください」
ヒナガは頬を赤くして、恥ずかしそうに笑った。
恋って、なんなのかしら?
わたくしは、冷めてるらしい。何を考えてるかわからない、近寄りがたいって、よく小耳にはさむ。
だから、わたくしに話しかけてくるのは、ヒナガぐらい。
話し相手がいないからって、困ったこともないし、必要ともしない。
それに、心、つまり感情がない天使が、へたにふりをするのも面倒ですもの。
ちょっと待って、今の問題はこんなことじゃありませんでしたわ。
「恋したって、天使になのでしょう?それなら、理由になりませんわ」
「……ウスイは口が堅いですか?」
いきなり、声を潜めたヒナガはあたりをキョロキョロと見渡した。
ここはヒナガの自室。あまりにも働き過ぎなので、大天使様に休暇を言い渡されたの。
誰かがヒナガをストーカーしているか、部屋を間違えたかしない限り、わたくしとヒナガの二人だけのはず。
よほどこれから言うことが、トップシークレットなのか、戸を開けて外に誰かいないかも確認していた。
今から言うことの内容はわからないが、恋したの!と言う言葉も、トップシークレットだと思うわ。
気が済んだヒナガは、ベッドに腰掛けると、じっとわたくしのほうを見た。
「あぁ。口は、堅いほうだと思いますわよ。それに、話す相手もいませんし」
「なんですって!」
さっきまで真剣な顔をしていたヒナガは、頬を膨らませた。