届きますように
一歩
あなたしが、あなたを意識し出したのは、やっぱりあのアフターからだと思うの。
普段、面倒で店が終わったら直帰するあたし。
なのに、あの日だけは、店が終わるまでの時間、そわそわしてた。
酔って寄りかかるけんを、振り払いもしなかった。
ほんの少しだけ唇も重ねた。
色恋?枕?営業?
そうゆう気持ちが、全くなかった。
もう、きっと、気持ち向いちゃってたんだと思う。
だって、それから仕事がほんとに苦痛になったから。
けんと、同伴したりしたけど、店に入るのは辛かった。
けんの車から、降りたくなかった。
でもね、どこかで一線引いてたんだと思う。