Death File
親の人たちに対する報復をどうしようかと考えていると、親の人たちをバラバラにしてやるという考えも必然的に浮かんでくる。

しかし、親の人たちをバラバラにしてやると、わたしは警察に逮捕されてしまい、結果、刑務所で飼い殺しにされてしまうのである。

結局、この日わたしはなんの結論も出せぬまま就寝することにした。

親の人たちがわたしを誘拐して飼育していると知ってからは、あんなに集中していた勉強も集中できないくらいわたしの耳もとで親の人たちが話し合う声が聞こえてきたのだった。

「あれに話すべきか、いや、あれはあれだからなぁ……」

眠っていてもなぜか親の人たちが話し合う声が聞こえてくる。

いらいらして眠ることができない。

もしかしたら、これが幻聴というものかもしれないが、わたしは複雑性心的外傷後ストレス障害でもないし、ましてや、パニック障害や境界性人格障害でもない。

いや、親の人たちが毎日わたしの食事になにか混ぜていて、それによってわたしはなにかしらの精神病にさせられてしまったのかもしれない。

親の人たちがわたしのことを異常者呼ばわりするのは、親の人たちが意図的にそうやってわたしを飼い殺しにしていると考えれば自然と合理的に納得がいく。

そう考えると一刻も早く親の人たちに対して報復をしなければと思うのだが、名案が浮かばない。

なによりも耳障りなのは親の人たちが耳もとで話し合う幻聴のようなものなのである。

これのおかげでわたしはいらいらして眠ることもできないのである。
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