加納欄の心 シリーズ19
加納欄の心 シリーズ19
それは、とある日に、いつものメンバーで楽しくお酒を飲み、そして、あたしと大山先輩だけが残ったところから、物語が始まる。

「大山先輩、随分呑んでますけど、大丈夫ですか?」

あたしも今日は、かなり呑んでるけど、大山先輩に比べたら、まだまだ比べものにならなかった。

「欄……」

「なんです?」

「可愛いなぁ」

「ハイ?!」

あたしは、お酒が吹き出しそうになるのをこらえて、大山先輩へ聞き返した。

「可愛い。そう、お前は、可愛いよ」

「酔ってますね」

「酔ってねぇよ」

大山先輩は、赤ら顔で答えた。


酔ってますよ!!


だって、先輩、あたしを可愛いなんて、言ったことないじゃん!!!


まいったなぁ(-.-)


もぉ(__)


恥ずかしいじゃん(^O^)


「も、もぉ、や、やだなぁ」


あたしは、照れながら大山先輩の背中を、バシーンとはたいた。

「お代わりもらってきますね、大山先輩何がいいですか?同じのでいいですか?」

あたしは、上機嫌で、椅子から降りるとカウンターへ歩いて行った。

お代わりのお酒を両手に持って、大山先輩の所へ戻ると、見知らぬ女性が2人ほど、大山先輩に纏わり付いていた。

あたしは、慌てて大山先輩に近づき。

「お待たせしましたぁ」

と、言って、大山先輩の隣に、座ろうとした。

そこに、1人の女が更に割って入ってきた。

「ちょっとぉ。邪魔なんだけど」


ムカッ!


邪魔ってなによ!


ここは、あたしの席よ!


「あの。あなた達は?」

あたしは、あえて冷静に質問をした。

「あたし達?歩いてたら声かけられたの。このダンディーなオジサマに」


!!!!!!


「オジサマはねぇだろ?」

大山先輩は、酔いながら、割って入ってきた女性の肩に、手をかけた。

「大山先輩!何やってるんですか。帰りますよ!」

あたしは、女性の肩から手を離すと、大山先輩を立たせようとした。

「必死になっちゃって馬鹿みたい。マミ行こう」

そう言うと、もう1人の女に声をかけると、あたしをチラ見し、鼻で笑って歩いて言った。


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