60年後のラブレター
彼女は大丈夫と言ったが、僕はすぐに救急車を呼んだ。顔が真っ青であったから、病院の結果で彼女の結果が分かった。
インフルエンザであった。僕は少し安心をしていた。白血病や脳梗塞。心筋梗塞や癌だったらどうしようと。
インフルエンザなら死ぬことはないと思っていた。それが甘かった。甘い考えだった。5日経っても良くならなかった。
6日目彼女が息をひきとった。享年27歳だ。早すぎる死であった。僕は狂いそうになったが踏み止まった。なぜなら、僕には娘がいるからだ。そう、僕はお父さんなんだから。3歳の娘にはまだ死というものが理解できなかったと思う。いや、理解していても分からないのだろう。ぼくにとって終わりの日と始まりの日だ。彼女が死んでから、思ったことがある。自分の両親について。
本当に助かっている。ぼくにとっては娘で、両親にとっては孫だ。よくめんどうを見てくれて助かっている。言葉ではいえないくらい感謝している。
弟にもだ。本当に家族っていいなぁとしみじみ思っていた。最近、僕は涙もろくなってきている。年のせいかな。彼女が死んでからは、僕は忙しさで気を紛らわそうと必死であった。ただ、その中で娘だけが生きがいであった。彼女のとの約束のためにも。実は、彼女が病院で死ぬ前に手紙を書いていたんだ。
僕は、彼女が死んでから、病院で荷物を整理している時に発見した。その手紙の内容にはこのような内容が書かれてあった。
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