60年後のラブレター
第6章 月日
僕の妻がこの世をさってから、20年の月日が過ぎた。今日は娘の結婚式である。娘は23歳になり、僕は50歳になっていた。結婚式というのは、親としては寂しいというか、なんといおうか、複雑な気持ちである。
幸せという言葉に私は弱くなってしまったのかなぁと最近私は考える。娘に彼氏を紹介された日の出来事だ。
「お義父さん。娘さんを下さい」
言われた。とうとう、言われた。娘を授かった時から覚悟をしていたが、いざ言われてみると、なんも思いつかない。いやね、お前なんかに、娘はやらん。断ると言ってやろうとも正直、本当に思ったよ。でもね、会ったその日に急に言われても、いくら心で準備していたとしても、いざ、言われてみたら、そうですか、見たいな気持になってしまう。それでは、だめだと自分に叱咤し、娘と彼氏の顔を見た。彼氏の方は、緊張からか、体が震え、汗が額から流れていた。だが、左手で、娘の右手をギュッと握っていた。
それを見ていたら、すんなりと言葉が口から出てきた。
「娘をよろしく頼む」
私は、彼氏と娘にふかぶかと頭を下げてお辞儀をした。すると彼氏も深々とお辞儀をしながら話した。
「あ、ありがとうございます。娘さんを、必ず幸せにします」
娘の方も涙をだしながら話していた。
「ありがとう、お父さん、私、幸せになるから。絶対に」
幸せになってくれたらいいな。私は結婚式を見ながら、涙を流しながら、妻の写真とともに見ていた。娘の結婚式を。本当に二人とも幸せそうだった。ただ、正直な話、私は結婚式と言う言葉は、私は好きになれなかった。
幸せという言葉に私は弱くなってしまったのかなぁと最近私は考える。娘に彼氏を紹介された日の出来事だ。
「お義父さん。娘さんを下さい」
言われた。とうとう、言われた。娘を授かった時から覚悟をしていたが、いざ言われてみると、なんも思いつかない。いやね、お前なんかに、娘はやらん。断ると言ってやろうとも正直、本当に思ったよ。でもね、会ったその日に急に言われても、いくら心で準備していたとしても、いざ、言われてみたら、そうですか、見たいな気持になってしまう。それでは、だめだと自分に叱咤し、娘と彼氏の顔を見た。彼氏の方は、緊張からか、体が震え、汗が額から流れていた。だが、左手で、娘の右手をギュッと握っていた。
それを見ていたら、すんなりと言葉が口から出てきた。
「娘をよろしく頼む」
私は、彼氏と娘にふかぶかと頭を下げてお辞儀をした。すると彼氏も深々とお辞儀をしながら話した。
「あ、ありがとうございます。娘さんを、必ず幸せにします」
娘の方も涙をだしながら話していた。
「ありがとう、お父さん、私、幸せになるから。絶対に」
幸せになってくれたらいいな。私は結婚式を見ながら、涙を流しながら、妻の写真とともに見ていた。娘の結婚式を。本当に二人とも幸せそうだった。ただ、正直な話、私は結婚式と言う言葉は、私は好きになれなかった。