60年後のラブレター
色々と考えていた、人を殺すことや自殺についても、ただ、ただ、それを実行する勇気がなかった、当たり前であるラブレターを渡せなかった男だぜ。
思いが思いで終わる男だぜ。だがそれはあの頃の俺であって今の俺ではない。いつかは乗り越えないといけないんだ。
自分を超えないといけないんだ。誰かが助けてくれる。そんなことはない。自分がしっかりしないとだめなんだよ。もういやなんだよ。後悔するのは。二度とごめんだ。ラブレターを渡せなかったせいとか、つまんねぇ言い訳ばかりいっていたくはないんだよ。弱い自分とはさよならするんだ。僕は時計を見た。夜の11時11分11秒だった。
「今、俺は生まれ変わった。11時11分11秒を持って生まれ変わった。さよなら昔の俺、そして誕生おめでとう俺」
声を出して叫んだ。近所迷惑だが。今の俺は叫ばずにはいられなかった。案の定、隣の部屋から壁を蹴られた。俺は気にせず寝た。そして朝起きて、自分に正直になった。単純だが頭に正直という言葉を刻みつけた。自己暗示見たく。それから、決めた、決めたんだ。今日、仕事が終わったら告白すると。僕は仕事に向かった。ドキドキいやわくわくしていた。新鮮な自分に戸惑いも感じていたが、悪い気はしなかった。そうさ、僕は生まれ変わった、変わった、変わったんだと。そして、仕事が終わり、僕はコンビニに向かった。
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