彼がくれたもの
「ちょっ、どこ行くんですかー?」
「いいところ!」
カイは、場所を教えてくれないまま、
走った。
そして、ある場所に着いた。
「ここって、廃墟になったビルですよね?」
「そ、ここの一番上、いいとこなんだぁ」
そして、ビルのエスカレーターを上がった。
「そーだ、ちょっと待ってて、」
「はい。」
それから15分ほどすると、カイが戻ってきた。
「はい、オレンジジュース」
「ありがとうございます!
あのぅカイさん、ここのどこがいいとこなんですかぁ?」
私は少し笑いながら言った。
「あと2時間くらい」
「2時間!?真っ暗になっちゃいますよぉ」
「まぁまぁ、」
それから、暗くなるまで、私とカイは、
ずぅっと喋っていた。