G i f t ~ギフト~
『・・・夏花。こんな人が居る前で名前言わないといけませんか?』


気付けばかなりの野次馬。


携帯片手に写メ取ってる人がいたり座り込んで見てる人も居たりと・・・。


「当たり前でしょ?嫌ならこの観衆の前でぶちゅっっといってもいいけど?」


悪魔だ・・・。


胡蝶蘭初代総長は大悪魔だぁぁぁぁ!!!


「吹雪ちゃ~ん!!」


名前を呼ばれ後ろを振り向くとムサシの姿。


『ん?何だ』


「制服。久し振りに見た!!高校時代を思い出すね!」


『・・・そうかぁ?』


それからムサシと昔話で盛り上がった。


「アリスのさぁ~白い犬。名前なんだったけか?」


『太郎じゃなかったけ?たしか・・・』


アリスとは私が通った高校の隣にある小さなお店の名前。


学校に行く前に良くそこでお菓子やらお昼のパンやら買った記憶がある。


「そうそう!!吹雪ちゃん、太郎にかなり好かれてたよね。常に太郎は吹雪ちゃんに腰振ってたし!ってかメス犬に見えてたとか?あはははは!!!」


・・・あははははって。


たしかにそうだった。


太郎の傍に行く度に飛びつかれて一生懸命腰振ってたなぁ。


犬にすら人間だと思われて無かったって事か?がくっ。


『ムサシは出し物何かやるの?』


「むふふ。やるよ!とびきりカッコイイヤツ。惚れても知らないよ?」


・・・惚れませんって(焦)


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