G i f t ~ギフト~
彼が居るテーブルに駆け寄った私。


彼の肩に手を置いて『ねぇ・・・ムサシどうしたんだろ?元気なかったよ?外行っちゃったしさ』


「・・・はぁ~。単細胞は単細胞のままか」溜め息つきながら言う彼。


『あ?どう言う意味?』


取り合えず座れって感じで両肩を押さえつけられて椅子に腰掛ける私。


「アイツ、呼んで失敗だったかもなぁ・・・」


『えぇ???なんでぇ~~?』


彼は私の顔をじっと見てまたまた、溜め息をついた。


「ほんとに気付いてないのか?お前は・・・」


気付いてない?


何をですか??


彼の飲みかけのビールを奪って一気に飲み干した私。


『だから~さっきから何な訳?ムサシ呼んで失敗したとか。さっぱり分からん!』


「多分。今でも、ムサシの心の中にお前が居るんじゃないか?」


『???』


彼が言ってる意味が分からず首を傾げる私。


「お前はいつも俺が女にモテルだの何だのって言ってるけど・・・自分自身何も気付かないわけ?お前だっていろんな奴に好かれてるんだぜ?」


・・・???


・・・仲間として私を慕ってるのは他のメンバーを見てれば分かりますが?


意味深ですね?その言葉・・・


「今日の俺は心が広いからムサシのとこに行って来いよ?話聞いてやれ!」


『・・・話ですか?何の??』


彼は再び私を「単細胞」と罵って(笑)肩を掴んで立たせ店の入り口まで私の背中を押した。


「話、するだけだぞ?それ以上は拒むなり殴るなりしろよ?」


へ???どうして私がムサシを殴る状況があるの??








< 130 / 161 >

この作品をシェア

pagetop