G i f t ~ギフト~
「吹雪ちゃんって、昔からそうだけど・・・春人しか見てないよね?もっと周りみたら?春人よりいい男沢山いるよ?俺みたいに」


『は?そんな事ないっしょ!ちゃんと見てるよ?』


「ふ~ん。じゃぁ、俺の気持ちも知ってんの?」


ムサシの気持ち・・・ですか?


『・・・どんな気持ちでしょうか?』


呆れた様に溜め息をつくムサシ。


「はぁ~。俺さ・・・高校の時吹雪ちゃんが好きだったわけ。吹雪ちゃんはすでに春人が好きだったみたいだけど。どんだけアピールしても空振り。あの頃、辛かったなぁ~」


遠い目をして話すムサシ・・・


『そ、そうだったのぉ???』


かなりビックリ発言です。


ムサシが私にそんな気持ち抱いてたなんてこれっぽっちも思わなかった。


私にとってムサシは面倒見の良い高校の先輩、族の先輩って感じだったから。


「結局、告白なんて出来ないで引退して、吹雪ちゃんが春人と結婚するって夏から聞いて、何か・・・複雑だよね?」


『・・・・・・』


こんな時、何て声をかければいいですか?


「今でも、好きって言ったら吹雪ちゃんはどうする?婚約解消して俺のとこに来てくれる?」


『へ・・・?・・・・・・ちょっと、意味が理解出来ませんが・・・』


私のこう言う所が単細胞とか鈍いとか言われるんだよね?きっと。


なんて言うんだろ。男に免疫が無いと言うか・・・。


こういう場面に慣れてないとか・・・。


告白って場面ね。


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