G i f t ~ギフト~
「ちゃんと告白していいの?」


ジワジワ私に近づいてくるムサシ。


ムサシが一歩前に進むたび私は一歩後ろに下がる。


そんな事を繰り返してると私は後ろに下がれなくなる。


(やべ・・・壁際まで来ちゃったよ・・・)


「いいの?」


『・・・無理・・です』


壁に両手を着いて私の前に居るムサシ。


ムサシが・・・怖い。


「無理って。言い方きつくね?まぁ。分かってた事だけど」


え?・・・からかわれた?


「いい歳してそんなに縮こまんなよ!」


『と、歳なんか関係ないって!!』


ムサシはふっって鼻で笑って、私の前髪をかきあげ、おでこに唇を落とした。


『ぎゃっ』


「・・・ぎゃっってなんだよ?」


『・・・・・・』


ぎゅっ


ムサシにぎゅっって抱き締められた。


私の頭を撫でながらムサシは「絶対に幸せになれよ。春人に泣かされたらいつでも俺のとこに来ていいからな」


「泣かせねーし!!」


ムサシの胸の中に埋まったまま声がした方に目線をずらすと彼が店の入り口に座ってた。


がばっ!


彼の姿を見て勢い良くムサシから離れた私。


なんだ・・・このトライアングルは・・・
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