G i f t ~ギフト~
先輩として大好きだったムサシ。


ムサシから「おめでとう」って言葉は聞けなかったけど。


代わりに「幸せになれよ」って言ってくれた。


この先ムサシに会えなくても私はアンタの幸せ願ってる。


絶対幸せになれよ!ムサシ!!


『ねぇ・・・春人。ムサシの気持ち知ってたの?』


彼が握る手に力を入れて聞いた。


「・・・普通分かるだろ?」


彼も握る手に力を入れて返事した。


『へ??分かんなかったけど。うち・・・』


「だから、単細胞なんだって。お前は」


またまたわしゃわしゃって頭を撫でられる私。


折角、セットしてた私の髪型はすでに原型を留めてない。


『・・ぐちゃぐちゃやん・・・』


自分で自分の髪の毛を撫でながら彼を見た。


彼の大きな手は私の背中に伸びて抱き寄せられた私。


「絶対、幸せにする。もう誰にも渡さない」って言いながらキツク抱き締めた彼。


私も彼の背中に腕を回して彼をキツク抱き締めた。


『その言葉そのまま春人に返しておくよ』


彼は鼻で笑って「えらい自信だな」って笑って言った。
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