G i f t ~ギフト~
彼も自分のカップに手を伸ばし「ん---。どうして?」と聞き返す。


『年末忙しいし。年明けにゆっくり治療した方がいいかな?ってね』


最近、紹介状を書いてもらって県内の有名な病院に受診した私。


でも・・・実は私の動脈瘤は2つある。


1つは開頭しなくても血管内手術というので治療出きる。


そしてもう1つは開頭しないと無理だと言われた。


その開頭手術も私が思ってる様な怖いものでもないらしい。


でも、響きは怖いよね。


どっちみち、片方手術して片方そのままなんて出来ないから開頭手術しないといけない。


『今すぐ手術します!』なんて言えない・・・。


「治療するのはお前だから、俺は強くは言わないけど・・・」


『まぁ・・・ね。でもさ~。春人と居たら死なないんでしょ?生かしてくれるんでしょ?』


「ぶはぁ」と彼は口に含んでたコーヒーを吹き出した。


『何してんの?』と聞きながらティッシュでこぼれた所を拭く私。


何故か顔を赤くしてる彼。


(変な事言ったけか?)


袖口で口を拭いながら「お前さ~。発言には気を付けろよ」と頬を赤らめて言う彼。


そう・・・私が言った『生かしてくれるんでしょ?』を『イカシテくれるんでしょ?』と勘違いしたバカ野郎。


彼の頭の中の80%はエロで埋まってます(笑)


『バカじゃないの?』と彼をけなします。


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