G i f t ~ギフト~
結局、どれだけ考えてもどうすればいいか分からない。


仕掛けられるのを待つしかないみたい。


『春人にごめんねメール入れて置くか』と夜空を見ながら携帯を開きメールを打つ私。


「やっと見つけた」と聞きなれた声が頭の上でしたので携帯から目線をずらすと・・・。


『うぉ!』と男らしい叫び声を発してしまった私。


暗闇に映る彼の姿。


携帯のディスプレイの光だけが周りを照らしてた。


「お前、携帯の明かりで顔が怖い」と笑いながら言う彼。


そっと携帯を閉じて再び周りは闇に染まる。


『なんで来たん?』


「追いかけて来たんだけど?」と彼は私の隣に座りながら言う。


『随分、遅い追っかけですね?』と嫌味っぽく返す私。


「気付いたら右にも左にも居なくて。お前の家行ってもいねーし、バイト先行ってもいねーし・・・で。最後にここに寄ったら車止まってた!」


『ほぉ~~~。ご足労掛けましたなぁ』これまた嫌味たらしく言う可愛くない私。


「帰ろうよ?」


『ん―――。もう少し居る。先に帰って』


帰ってもきっとさっきと同じだ。


また彼の携帯が震えて、喧嘩して、部屋飛び出して・・・。


だったら1人で居たほうがいい。






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