G i f t ~ギフト~
右手でハンドルを掴み左手で携帯を操作して伸也に電話をかける。


『ちーす。今、そっち向かってんだ。どこにするか決まったか?』


「お疲れ~。こっちの国道の喫茶でいいんじゃね?」


『あ~。いいねぇ。あそこのパフェ美味いもんな!真っ直ぐ向かって大丈夫か?』


「いいよ。俺も、もう出るから」


伸也とはパフェが美味しい喫茶店待ち合わせ。


(何のパフェ食べようかなぁ・・・)


私の頭の中はチョコレート・イチゴ・プリン・フルーツ・・・。


甘い甘いクリーム。ちょっと冷たいアイスクリーム。


いろんなパフェが順番に登場して、口の中に唾液が溜まっていくのを感じて。


『やべ・・・ヨダレ垂れそうだった・・・』なんてね。


車の中で今から食べるパフェを考えてたらあっという間に目的地。


軽くスキップしながら喫茶店内へ。


店内の奥の席で1人で煙草を吸って待ってる伸也。


『お待たせ~。何だ。1人かぁ?』とつまらなそうに話してみる。


「重要な話って言っただろ?ねーやん等の事なんだからな!」


意味が分からず首を傾げながら席に着く。


「ご注文はお決まりですか?」とウェイターが聞いてきたので、待ってました!と言わんばかりに『チョコレートパフェ!!』とにっこり笑顔で言う私。


そんな私を見て伸也は「甘ったるいのぅ。俺はコーヒーで」なんて言うもんだから・・・。


『アンタさぁ~~~。ほんと春人に似てきたよね?ぅぅ。気持ち悪!!』


「俺は兄貴と違うの!ってか兄貴より俺のがいい男だろ?」と自信満々に聞く伸也。


『・・・。中身も一緒かぁ?可哀想だな!』


伸也を見ると10代の時の彼が横切る。


兄弟だから似てるのは分かるけど・・・そっくりなんだもん。


若い彼と一緒に居るみたいでなんだか・・・ドキドキ?してくるかも?






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