G i f t ~ギフト~
「あのさ・・・」と少し表情を曇らせて話す伸也。


てっきりユカリと結婚するから!なんて話を期待してた私。


伸也の表情で事情が違う事を察した。


「実はさ・・・。兄貴の様子、最近変じゃね?」


(変?いつも変(笑)だけど。オカシイと言えば携帯ぐらい?)


『ん―――。どの辺が?』


伸也は頭を掻きながら再び話す。


(その癖・・・春人と同じ(笑))


「オヤジの会社に3年前から事務の女が居るんだけど・・・知ってる?」


『さぁ?事務はお母さんがやってなかったけ?』


彼の親は建築業の仕事をしてるの。


彼も伸也も親の会社で働いてる。


中の仕事は彼のお母さんがすべてやってたはず。


「腰痛めて、1人その女を雇ったんだよ。それがさ・・・ねーやんと同じ名前なの」


伸也の言葉を聞いて固まった。


パフェがテーブルに来た事さえ気付かなかった。


「おい!!聞いてんのか?ねーやん?」


伸也が私の目の前で手をヒラヒラさせて私を呼んでいて・・・


『うぉ・・・。聞いてる聞いてる』


「でさ~」と続けて話す伸也・・・。


「昨日、その女の電話の会話聞いちゃったの!!多分・・・電話の相手は兄貴」


(え・・・??マジかぁ・・・)
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