G i f t ~ギフト~
知ったからと言って・・・どうすればいい?


「兄貴・・・その女に脅される。別れて自分のとこに来てくれないとねーやんに酷い事するって」


酷い・・・事?


私の脳裏には13年前の黒い記憶が蘇る・・・。


女の嫉妬で酷い目にあった。


今回も何かあるの?


「どうする?仕掛けられる前にこっちからあの女に仕掛けるか?」


コーヒーを含みながら真剣に私を見る伸也。


『仕掛けるって・・・』私もそう返しながら目の前のパフェに刺さってたポッキーを口に運ぶ。


「でもぉ~。俺は兄貴と居る時間、ねーやんより多いから分かるけど・・・兄貴はその女、抱いてないよ。ねーやんが心配する事はしてない!これ。絶対ね」


(自信満々だなぁ・・・。こう言う自信満々なとこもそっくり(笑))


『でも・・・会ってるでしょ?あ!!一昨日って・・・仕事急用入ったの?』


彼を信じてる。けど今は疑ってるから・・・知りたかったの。


「ん?オヤジと兄貴だけじゃね?何かね~・・・あっ」・・・マズイ事を口走ろうとしたんだか、伸也は口を押さえて会話を終わらせた。


『ん?何?』続きが気になり聞き返すが、知らない振りをしてカップに口を付ける伸也。


「一昨日は兄貴はオヤジの会社に来たよ」


(ほんとにぃ~~~?じゃぁ・・・勘違い?)


「でもぉ・・・その女も出勤した」


はぁ・・・。一難去ってまた一難?



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