G i f t ~ギフト~
「今年は吹雪サンタ来るかなぁ?」


2人で湯船につかって彼がいきなり話を振ってきた。


『ん―――。来ないなぁ。残念だけどなぁ』


「え~~~。来て欲しい。クラッカー持って来て~(笑)」笑い混じりに言う彼。


初めての彼とのクリスマスにサンタの格好して彼の部屋に行った事があって。


彼は今年のクリスマスもそれを望んでる様。


(さすがにこの歳でそんな事出来ません・・・)


彼と頭を洗いっこしたり、沢山バカな事言ったり・・・これから先もこうやって、一緒に居られたらいいのにって彼女の存在に怯えて。


お風呂を出て彼が私の髪を優しく乾かしてくれて。そんなひと時に幸せを感じる。


ドライヤーの音で聞こえないと思って小さな声で私は『世界で1番春人を愛してる』って言ったの。


聞こえてないと思ってたから素直に何回も言ったの。


髪が乾いて、ドライヤーを止めた彼に「今、もう一回言って」って耳元で言われて。


(ヤバ・・・聞かれてた~~~)なんて内心パニック(笑)


『何も言ってないし』と、とぼけてみる私。


「聞こえてたよ」と優しく耳元で囁いて彼の唇が私の首筋を熱をもってなぞられ『聞き耳立ててるなんてズルイ』と投げ返して彼と唇を重ねた私。


何度キスしても足りない。


何度抱き締めても足りない。


何度体を重ねても足りない。


何度・・・愛を囁いても足りない。


すべて足りないの。


もっと・・・もっと欲しいの。


彼のすべてが。
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