G i f t ~ギフト~
「車も冷えてるから、暖まるまで事務所に居ようか」と彼に促され再び事務所の中へ。


さっきまで彼と彼女はどんな風に話してたんだろ・・・。


何がキッカケで彼女は出て行ったんだろ・・・。


そんな事が頭を過ぎる。


「はい。コーヒー」


彼は温かいコーヒーを淹れてくれた。


『ありがと』私も笑顔でお礼。


「もしかして・・・何か心配でもしてココに来たの?」


『え?』カップに口付ける動きが止まる私。


そのまま湯気を吹き払って冷静装って『会いたかっただけ』と呟いた。


「そっかぁ~。俺って愛されてる?」


少し照れながら言う彼が可愛くて意地悪したくて『どうだろね?』なんて返事をする私。


「素直じゃないんだから・・・」とふて腐れる彼がとても愛しい。


「俺ね・・・吹雪に話してない事ある。今から話してもいい?」


いつになく真剣な表情の彼。


彼の表情でその話が彼女の事だと直感する。


『・・・。いいよ。なぁに?』彼の目を見るのが怖くて、カップの中のコーヒーが揺れるのをただ見つめてた。


「此間のデートで話し掛けてきたコ居ただろ?」


『・・・うん』


(やっぱり、彼女の事なんだ・・・)
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