オレんちの兄さん2



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脱衣所で脱いだものをポイポイッと洗濯機に放り込んで、オレは浴室に足を踏み入れた。

床に敷き詰められたタイルの冷たさに、体がブルッと震える。


シャワーの栓を思いっきり捻ると冷たい水が勢いよく飛び出したが、オレは構わずシャワーの下に頭を突っ込んだ。

頭皮が切れるんじゃないかと思えるくらいの冷たさはすぐに温かいお湯に変わり、浴室内には湯気が立ちこめた。

温かいシャワーと湯気に包まれると、考えないようにしていたことが一気に膨れ上がり、オレの思考を完全に支配した。









――――兄さんには恋人がいた。


色が白くて、ボンッキュッボンなすごく綺麗な人。

兄さんよりも年上に見えたけど、ああして二人で並んでいても何も違和感なんてなかった。

寧ろ大人な雰囲気がプラスされて、周りから羨ましがられていたに決まってる。




それに、あの店。


オレのことウザイくらい誘っておきながら、一緒に行く恋人がいるんじゃないか。

オレが甘いもの苦手だってわかってて、それでもしつこく頼んできたくせに。

そんなに行きたかったなら、最初っからオレなんか誘わないでそっちとだけ行けばいいだろ。




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