オレんちの兄さん2



一人ノリツッコみをしながら「ドキッ」を返してくれと思っていると、


「何が欲しい?」

兄さんが話を元に戻した。


「そうだなぁ……」

オレはクールダウンも兼ねて欲しい物を考えた。




今一番欲しいのは誕生日の次の日に発売になるゲーム「ドラ○エ」の最新作。

でもこれは北海道にいる両親にリクエスト済み、更にショップに予約済みで、当日に取りに行くだけ。


うーん…………あ!


柔軟剤切れそうだった……

ってこれ日用品だし。




「アサヒ?」

脳みそを搾るような勢いで頭を回転させていると、それを遮る兄さんの声。

さっきから3分ほど同じ豆と格闘している兄さんを見て、


(あぁ、しっかりした兄さんが欲しい)

なんて思う。




「何も欲しいもの無いのか?」

黙りこくっているオレにシュンとしてしまった兄さん。

その兄さんの様子に色々と罪悪感を覚えたオレは、




「えっと……あ、そだ、何か美味しいもの食べに行きたい!」


勢いよくそう言っていた。




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