オレんちの兄さん2



女子が見たらそれだけで昇天してしまいそうな笑顔をオレに向けて、兄さんはパチリとウインクをした。




「さて、問題も解決したことだし……」

「???」




ぬぎっ。




「○#▲☆&◎%!?

 な、何やってんだよ!!」

「何って……
 服も濡れちゃったし、飯より先に風呂入ろうかなーと思って」

シャワーのお湯が浸透してしまったシャツやズボンを、兄さんは次々と脱いでいく。

濡れて額に張りついた髪を、空いている方の手で耳に掛ける。


(…………………)


さすが兄さん、水も滴るイイ男☆






じゃなくて!!

「入ろうかなー」って何!?

なにフツーに入ってこようとしてんの!?

オレが今入浴真っ最中なのわかってやってるよね!?




「兄さん、オレまだ上がらないんだけど…」

遠回しに出て行けと訴えたつもりだったが、


「気にしない気にしない。
 久しぶりに一緒に入ろう♪」

「……………」


「気にしない気にしない」って……




(気にするに決まってんだろー!!)


兄さんが気にしなくても、オレは気になるんだよ!!




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