オレんちの兄さん2
―――――――…………
ちゃぷちゃぷ。
「ホントに久し振りだな、こうやって一緒に風呂入るの。
いつぶりだ?」
結局兄さんはオレの言葉を無視して、ズカズカと風呂に入ってきた。
浴槽の中に向かい合って座るオレと兄さん。
兄さんは、昔オレが家庭科の時間に作ったピンクのタオルを頭の上に乗せている。
実はそのタオル、本当は雑巾のつもりで作ったんだけど……
兄さんに渡したらタオルだと勘違いしてひどく喜ぶもんだから、未だに言えずにいる。
両腕を浴槽を抱くように置き、湯船の中で大股を広げてかなりリラックスしている兄さん。
その兄さんの向かい側で、オレは小さく体操座りをして……
リラックスなんてどこ吹く風のごとく緊張していた。
(兄弟なのに何緊張してんだよ、オレっ)
自分にツッコミながら、オレはチラチラと兄さんを見ていた。
一緒に風呂入るなんて、ホントに何年ぶりだろう。
兄さんの突然の思いつきで、銭湯に連れて行かれたことはあったけど……
それだって、もう二、三年前のことだ。
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