オレんちの兄さん2



笑顔で言う兄さんの目の前で開封すると、出てきたのは眼鏡ケース。




カポン。




可愛い音を響かせてそのケースを開けると、レンズの大きなサングラスがオレを見ていた。

太めのフレームの横には、お洒落にデザインされたブランドロゴ。


「紫外線は目からも入るらしいからな。
 しっかり紫外線対策しろよ」

笑って言った兄さんにオレも目一杯の笑顔で、




「ありがとう、兄さん」


今日一日の感謝を伝えた。


そして―――――……






「兄さん」

「ん?」

「昨日は、その…」

「うん?」

「ご、めん」




小さな声で、しかも途切れ途切れにだったけど。

まだ謝っていなかった昨日の勘違いを、ちゃんと謝ることができた。


兄さんはオレの言葉にニッコリ笑うと、




「色んなアサヒが見れて、なかなか楽しかったよ」


そう言って、オレの額をツンと小突いた。


「!」

「あ、また“はとまめ”みたいな顔してる」









来年も、再来年も……


こんな風に、兄さんに祝って欲しい。






そんなことを思った、15歳の誕生日。






 END
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