オレんちの兄さん2



「あ、兄さん、こんなのもあるよ!
 それから、これも美味しそうだし…
 あとそっちのも!!」


考えれば考えるほど、行きたい候補が増えていく。

これじゃあいつまでたっても、一カ所に決められそうにない。


「うーん……どうしよ」

頭を抱えて悩んでいると、兄さんの笑い声が聞こえた。


「そんなに必死に悩まなくても、お店は逃げていかないぞ?」

「そんなことわかってるけど……っ!」


やっぱり、年に一度の誕生日だし。

行って良かった、って心から思えるような所にしたいじゃないか。




(――――それに)

オレだけじゃなくて、兄さんにも満足してもらいたいし。


そう考えると、嫌でも慎重にならざるを得ない。




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