【完結】不良彼氏の甘い誘惑
あたしばっかりドキドキさせて。


ほんとにずるい。





「……爽真君はずるい」

「あ?何だよいきなり」


爽真君はあたしに視線を向けた。







「だって……いつもあたしばっかりドキドキさせるんだもん」


あたしはそう言うと、唇を尖らせた。





「……はあ?」


「ドキドキするのはいつもあたしばっかりなんだもん……ずるいよ」



あたしはそう言って校庭の方を向いた。







「……何言ってんだよ」

「えっ?」



あたしは爽真君に視線を向けた。





「俺だってドキドキしてるよ」


「え?」


「亜季の側に居る度、ずっとドキドキしっ放しだから。ドキドキしてるのはお前だけじゃねーよ」


爽真君はそう言うと、あたしから目を反らした。


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