【完結】不良彼氏の甘い誘惑

「……もういっぺん言ってみろや」


爽真君は低い声を出して言った。





「何回でも言うわよ！！アンタはサイテーよ！！都合の悪いことからそうやって逃げ出そうとして、ちゃんと向き合おうとしないじゃない！！」


あたしは声を荒げてそう言った。



……気付いたら、あたしの目からは既に涙が止まっていた。





「…………」


何も言わない爽真君に、あたしは言葉を続けた。






「お姉ちゃんのことだってそうよ！！自分から勝手に別れを切り出して、お姉ちゃんの意見なんか聞こうとしなかったじゃない！！アンタは自分のことだけで、お姉ちゃんの気持ちなんか全然考えてないサイッテーなヤツよ！！」

「うぜぇ……もうその話はすんな！！」



あたしがそう言うと、爽真君は低い声で言った。




「ふざけないでよ！！アンタは単にお姉ちゃんと向き合うのが恐いだけでしょ？！」