【完結】不良彼氏の甘い誘惑
「遅いよー」


亜季がため息交じりで言った。





「……お前ら、朝から元気だな」


俺は小さく呟いた。







「エヘヘッ。だって沙織のこと大好きだもーん」

亜季は満面の笑みで言った。





「……へー」


俺は上履きに履き替えて廊下を歩いた。







「でも、爽真君も大好きだよ」


亜季は俺にニコッと笑い掛けた。





「……ああ」


俺は亜季の頭をクシャクシャと撫でた。







「でも、一番好きなのは沙織だけどねー」


亜季はそう言うと、フフッと笑った。





「……あっそーですか」

どうせ俺は沙織に勝てねーよーだ。







「拗ねないでよー」


亜季は唇を尖らせた。




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