【完結】不良彼氏の甘い誘惑
あたしは爽真君に駆け寄った。





「来んな!!」


爽真君が叫んだ。







「ほら、殴りたきゃ殴れよ。好きなだけ殴っていいからよ」


?!





……爽真君、何言ってんの?


爽真君が金髪の男の子の胸倉を掴んで、いきなりそう言った。







「…………」


だけど、金髪の男の子は何も言わずに掴んでいた胸倉を力が抜けたように離した。





「どうした?殴りたいんだろ?……なら殴れよ」

そんな彼を見て、爽真君が挑発したような口調でそう言った。







「…………」


あたしはただ、黙ってその場に立ち尽くすしかなかった。





……こんな怖い目をした爽真君、始めて見た。


その目は、あの時より何倍も怖かった。




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