【完結】不良彼氏の甘い誘惑
「ほら、殴れよ」


そんな場面を見ていたら、自然と涙が零れた。





「…………」


涙で、視界がにじむ。







「……お前らだってもう分かってんだろ?こんなことしても、なんの意味もねーことくらい」


爽真君が低い声でそう言って、立ち上がった。





ザァーッ―――


その言葉と同時に、どしゃぶりの雨が降り始めた






雨と涙で、更に視界が悪くなる。


イヤな雰囲気が漂う中、爽真君がまた口を開いた




「……お前ら、ほんとはこんなことしたくねーんだろ?」


あたしには雨でよく聞こえなかったけど、多分彼には聞こえてる。







「……うぜーんだよ!!黙れ!!」


金髪の男の子が、また爽真君に殴り掛かった。




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