【完結】不良彼氏の甘い誘惑
「……何で謝るの?」


沙紀は俺をジッと見てそう言った。





「……え?」


俺は顔を上げて沙紀を見つめた。







「……謝らないでよ」


沙紀はコーヒーカップを持ったままそう呟くと、俺から目を反らした。







だけど……


沙紀の声は震えていた。




「沙紀……」


「謝らないで……」







だけど……


気付いてしまったんだ。




沙紀が……


泣いていることに―――






「沙紀……」


「お願いだから……謝らないで」



沙紀は泣きながらそう言った。





「…………」


「悪いのは……爽真じゃない」


「…………」


「爽真は……何にも悪くない」



沙紀はそう言って唇を噛み締めた。



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