【完結】不良彼氏の甘い誘惑
俺は沙紀の顔を見て……

少し、胸が痛んだ。





「今まで、ありがとな」

「……うん」



……沙紀は、泣いていた





声を押し殺して……


泣いていた。





「ごめん。……沙紀」


「早く、行って……」



沙紀は下を向いて言った






「……ごめん」


俺は小さくそう呟くと、家を飛び出した。





沙紀……


ほんとにごめん―――







けど……


沙紀のことはすげぇ好きだった。





今でも、沙紀が好きだ。

……沙紀、本当にごめん―――







こんな俺を……


許してくれ。





沙紀と別れたあの日のことは……


俺にとって、一生忘れられない日になった。



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