LLE <短>



先輩のバカ。アホ。

このままじゃ、あたしサッカー嫌いになっちゃうよ。



ダイスキな先輩が、ダイスキなものなのに。


先輩のスキなものは、あたしだって、全部全部スキでいたいのに……



あたしの方が、先輩のことを何百倍も、何千倍もスキだってことはわかってる。

そんなことは、最初から覚悟の上だった。


それでもいいと思ってた。

ほんの少しでも、先輩もあたしのことスキでいてくれたら、それだけで満足だったから。



でもね、先輩。

先輩は、ホントにあたしのことスキ?


先輩もあたしのこと、ちょっとくらいはスキなんだよね?

だから、いいよって言ってくれたんだよね?



突き放さないのは、あたしといるのも悪くないって……

そう、思ってくれたからなんだよね?


あたしの勘違いじゃないよね?

それで、いいんだよね?



どれだけ問いかけたって、心の中では、誰も答えてくれるわけもない。



先輩は残酷な人だ。


中途半端な優しさなら要らない。

そう言って、手放すことができたならいいのに。



あたしはすがりついている。

どんなに、自分が惨めでも。



ね、先輩。


あたしのこと……

――スキ?

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